第7回ソフラマラジオ『ダンタリアンの書架』三雲岳斗
『ダンタリアンの書架』を読みました。相変わらずustreamで毎週ソフラジはやってますけれど、その作品について資料として扱うときにあれを見るのは大変なので、出た話題を文字に書き起こしておくことになりました。
- 作者: 三雲岳斗,Gユウスケ
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/11/01
- メディア: 文庫
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設定について
テーマは本。文学少女と比べられるかもしれないが、似たようで別の想像力を使っているように思える。
ダリアンの口調が翠星石。禁書目録。構造がキノに似てる。などなど。こう書けば面白くなるという要素を集めている気がする。いや三雲岳斗は素直にこれが面白いと思って書いているんだ!
人知を超えた力を持つ書物、という設定はライトノベルっぽいのでいい。ただそれ以上にはならないような気がする。
各話ごとの感想
第一話「美食礼賛」
- 寓話っぽくなっている。美食を極めようとしたグレイアム。結局は快楽状態にある自分の脳髄を食べることで、最高の料理を味わうという結果。
- 幻書を使うとホラーチックな(不幸な?)結果を招く。
- 快楽状態にある食材(自分の脳髄)を使うのが最高の料理を作る方法だというのは皮肉がきいてる。
第二話「血統書」
- 冷血で市民から恨まれているが仕事ができるロイと、優しく人や犬を切り捨てられないシェズがいて、二人のうちのどちらかが選ばれるという設定だったら、シェズが選ばれるのが普通。
- 普通の結果だから話として弱い。
- シェズが選ばれた理由が人間として優れているということではなく、血統書によって作られた狼人間だから、というのは、以外だけど何も機能してないような気がする。
- 解雇された市民も救われていない。
第三話「叡智の書」
- 子供たちがどこかで見た感じ。
- この結末でいいのか、という感じ。この結末に至る説得力が足りない。
断章一「独裁者の書」
- 他の話とは少し違っている。
- 独裁者から王になった際に、独裁者の書が適応されなくなるというルール。
- 今まで支配できてきたと思っていた市民から文句を言われて終わるという結末。
第四話「仕掛け絵本」
- ダリアンとヒューイの出会い、ダリアンの設定等が明かされる話。
- 事件自体は他と比べて面白くない。
- 鍵を開ける挿絵がエロい。
- 仕掛け絵本だから外部の世界に飛び出してくるという発想は面白いけど他のものと比べて浮いているような気がする。
断章二「天寿の書」
- 無限ループって怖くね?